カジノ法制定記念≪日本パチンコ伝≫









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〈日本機械学会論文発表〉

日本機械学会第1回論文発表 
日本機械学会第2回論文発表
日本機械学会第3回論文発表
日本機械学会第4回論文発表


〈図版〉

◆ 「日遊協」2011年10月号掲載、論文発表記事
「遊技通信」2011年11月号掲載、論文発表記事

 
〈著書〉

『パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽』
『戦前からあった台湾のパチンコ』


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 <日本にカジノができたら、パチンコはどうなるのか? その17 >




 

◎「くぎ曲げ横行」、不正パチンコ台数十万台自主回収へ


 このところ、パチンコ台のくぎ曲げの不正が取りざたされていた。いよいよ、警察庁が風営法に違反する疑いがあるとして、クリスマスイヴ、当局が業界側に不正機回収の要請を、新聞発表した。

 2015年12月24日、読売新聞、毎日新聞が、下記のように報道している。




 読売新聞は、「パチンコ台『くぎ曲げ』横行 数十万台自主回収へ」という見出しで、「メーカーの業界団体『日本遊技機工業組合』(日工組)が来月以降、全国のパチンコ台約295万台のうち数十万台に上る大規模な自主回収に乗り出す」「パチンコ台の大規模回収は1996年以来、20年ぶり」と報道している。また、「メーカー検定後改造か」という見出しで、「警察庁は、業界団体が設立した『遊技産業健全化推進機構』に調査を要請」とあり、「客離れの一方使う額4倍に」という見出しで、「客1人が昨年1年間で使った金額は約213万円で、25年前の4倍超となった」とある。


次は毎日新聞の報道である。



 毎日新聞は、「パチンコ台大量回収へ メーカー不正改造 警察庁要請」という見出しで、「警察庁は今年4月、一般社団法人『遊技産業健全化推進機構』に実態調査を依頼。同機構が6〜8月に全国161店舗の258台をサンプル調査したところ、合格した台と同じものは一台もなかった」とある。さらに、警察庁は「メーカーで組織する『日本遊技機工業組合』に調査を指示。同組合は11月、『全35社のうち11社で調べたところ、メーカーからの出荷時から検定機と異なるパチンコ台があった』と警察庁に報告」「関係者は『回収は数十万台に上る可能性がある』と話している。警察庁によると、昨年末現在のパチンコ設置台数は約295万台」で、「パチンコは射幸心を高めすぎないよう当たり玉や大当りが出る確率が風営法や国家公安委員会規則で規制されている」とある。


◎「釘はパチンコの命」、不正は許せない

 釘があってこそのパチンコである。打った玉が釘の間を右往左往し、入賞口に入った時の快感は、何ともいえない。それゆえ昔は、釘師がいて、釘調整を行っていたのである。客は、正村ゲージの「天4本」の釘をまず最初に見たものである。

 私のもつ、戦前の手打ち式パチンコ台には、入賞口のハッタリに隠れ、不正釘が打たれているものもある。だが、常連客にはすぐばれることであった。その昔、パチンコ客は釘師との攻防を楽しんでいたのであった。
 
 今回の不正は、「一般入賞口」に入る「小当たり」の釘を、ほとんど入らないように打ち、「大当たり」に導く「始動口」に玉が入りやすくしたというものである。客は、必然的に大当たりをねらい、多くの玉を使用することになる。

 昔の、「時間があるので、ちょっとパチンコでも打っていこう」という、手打ち式パチンコ時代の釘師と客との攻防が、今は懐かしい。


◎『パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽』が絶版へ 


 パチンコのルーツを明かした、創元社出版の、拙著『パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽』が、このたび、絶版となった。今、入手できるのは、アマゾン他、数カ所だけである。

 パチンコ客、パチンコ業界、警察当局は、パチンコ台から玉が出たのが昭和12年頃だと知っているのであろうか。
 下記の手打ち式パチンコ台は、昭和15年頃製造された、メーカー不明の「犬猿野球パチンコ」である。

 
                     



 盤面のほぼ中央に、来年2016年の干支である「猿」のハッタリがついている。上部には犬のハッタリがついている。
 
                         
 

 「猿」に入賞すると、6個玉が出て、打ち玉が戻り、もう1回打てるようになる。2ヵ所の三塁打と、2ヵ所の犬の入賞口に入賞すると、4個玉が出て、打ち玉が戻り、もう1回打てるようになる。他の入賞口は、2個玉が出て、打ち玉が戻り、もう一度打てるようになる。
 つまり、
 6+1=7
 4+1=5
 2+1=3
 このパチンコ台は、7と5と3の「七五三パチンコ」である。
 
 パチンコ台の元は、イギリス・フランス・ドイツ等で、1920年代、30年代に盛んに作られたギャンブルマシンである。現金を台に入れると、盤面に玉が1個出て、それを打ち、入賞すると、現金が払い出されるものであった。日本では輸入されたそれらを改造し、香具師が露店営業のギャンブルに使用していたが、あからさまな賭博なので、許可されず、払い出される現金の代わりに、お菓子や引換券(代用貨幣)を出していた。だが、一部を除き、代用貨幣も禁止となる。
 当時、香具師営業にコリントゲームもあり、これは入賞した玉数で景品と引き換えていた。現金や代用貨幣(トークン)が禁止されていたパチンコであったが、コリントゲームのように玉ならば、許可されると知った業者は、現金やトークンに替えて、パチンコ台から玉を出した。1937(昭和12)年頃のことであった。パチンコ台から玉がジャラジャラ出る方式は、こうして生れた。初めは、玉は台の中にある打ち玉1個のみで、台の外に出ることはなかった。玉が外に出るシステムに加え、絵や数字がそろうと現金が払い出されるスロットマシンのシステムが加わり、現在のパチンコとなったのである。

 カジノ法は、今年もついに成立しなかった。もっとも国立競技場のプランがやっとまとまった現実を考えると、日本の歴史上、初めてのことを行うわけであるから、やむを得ないのかもしれない。だが、これだけ国民に浸透したパチンコというギャンブル文化である以上、パチンコの歴史研究なくして、カジノ法を成立させ、オープンさせるのは、いかがなものか。新聞他、マスコミは、パチンコをはっきりギャンブルと位置づけている。
 カジノ法が成立したならば、最初にパチンコの換金問題について、論議してほしいものである。



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