カジノ法制定記念≪日本パチンコ伝≫









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〈日本機械学会論文発表〉

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〈図版〉

◆ 「日遊協」2011年10月号掲載、論文発表記事
「遊技通信」2011年11月号掲載、論文発表記事

 
〈著書〉

『パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽』
『戦前からあった台湾のパチンコ』


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 <日本にカジノができたら、パチンコはどうなるのか? その25>




 

◎カジノ解禁、議論本格化


 2016年12月15日のカジノ法案成立後、トランプショックや北朝鮮のミサイル問題、はたまた、森友学園の籠池氏の証人喚問等々のためか、カジノ解禁が決定したにもかかわらず、統合型リゾート(IR)整備推進本部(本部長・安倍晋三首相)の、推進会議のメンバーすら決まらずにいた。4月5日本日、毎日新聞には、「カジノ解禁 議論本格化」という見出しで、明日6日に推進会議の初会合がやっと開かれるとある。すでに、4月4日の同新聞は、推進会議の有識者8人が選任されたことを伝えている。メンバーの中に前回載せた、大阪商業大教授の美原融氏が入っている。
 美原氏は、パチンコについて、「『依存症536万人』という数字が独り歩きし感情的な議論になっている。ほとんどはパチンコ依存症だ。店は1万以上を数え、コンビニエンスギャンブルになっている。カジノはせいぜい10ヵ所前後、それも国が主体的に厳しい規制をかける。本気で依存症対策というのなら、パチンコを含めてどういう対処をするのか。賭博対策基本法のような議員立法を議論する方がはるかに建設的であろう」と語っている。

 

 
 下図は、2017年4月5日の読売新聞の「推進本部が初会合」の記事であるが、「初会合」よりも「カジノ解禁 根強い懸念」の方がはるかに大きな文字で載っている。



 カジノが解禁となった今になって、「昨年12月の読売新聞の世論調査では、カジノ解禁を評価しない人が66%に上った。既存の競馬や競輪、パチンコなどでも依存症対策は遅れており、カジノ解禁により助長される懸念があるためだ」という文言がある。読売新聞は、カジノ解禁以前にギャンブル依存症問題、とりわけ、パチンコ依存症問題を解決しようということであるが、パチンコ依存症対策の一つとして、下図の4月1日の朝日新聞、日本経済新聞に、パチンコの出玉規制の見直しという記事がある。

 


 日本経済新聞は、パチンコの出玉について、「警察庁によると、パチンコの出玉基準は、風営法の施行規則で『1時間の出玉を発射させた遊技球の数の3倍以下、10時間では発射させた2倍以下』などと定められており、今後具体的な上限値などを検討する」とある。だが、パチンコの出玉規制については、すでに前日の3月31日に、朝日新聞と読売新聞が採り上げていた。まず下図の読売新聞から紹介する。



 新聞には、30日、政府がまとめたギャンブル依存症対策の強化に関する全文が出されているとある。論点の一つとして、「競馬や競輪などの公営ギャンブルやパチンコについて、本人や家族から申告があれば、利用を制限できる仕組みの必要性を明記した」とある。パチンコについては、「パチンコの出玉規制の基準見直し」とある。

 下図は、同日の朝日新聞であるが、こちらは、大きく、「パチンコ出玉を制限」とあり、「射幸心を過度にあおらぬよう、出玉規制に向けて風営法施行規則の見直しを検討する。パチンコは一般に1玉4円で借りて打ち、『大当たり』などで多くの玉を得る仕組み。得られる玉数を減らすことでギャンブル性を抑制できるとみている」とある。新聞には、パチンコ依存症対策として、「相談体制の充実」「本人や家族申告による利用制限」「18歳未満の立ち入り禁止の徹底」「射幸性の抑制の在り方」の四つを挙げている。
 パチンコの出玉の制限は、「射幸性の抑制の在り方」と密接な関係にある。1954(昭和29)年に、連発式パチンコが禁止と決まった時、同時に一部を除いて「オール20」も禁止となった。「オール20」とは、どの入賞口に玉が入っても、景品玉が20個払い出されるシステムのことである。オール20の禁止により、オール15がパチンコ機の定番となった。
 それでもパチンコが廃れなかったのは、左手で玉を台に入れ、右手で玉を弾くという手先・指先を動かす人間の本能的な快感にあった。今のパチンコには、それがない。
 出玉の抑制によっては、依存症でない客もパチンコをやらなくなるのではあるまいか。

 

 一連のギャンブル依存症対策の記事としては、毎日新聞が2016年12月15日のカジノ法成立から2017年4月5日までの間、海外のカジノまで採り上げ、細かく追っているので、2016年12月22日にさかのぼり、2017年3月31日まで紹介し、これまでの依存症対策の記録としたい。

 下図は、2016年12月22日の「規制強化より患者支援」の記事である。



 書き出しに「対策が後回しとは、ギャンブル依存症を甘く見ているのではないか」とあり、「依存症患者になるのは、意志が弱い一握りの人だけなのか」とあり、「厚生労働省の研究班が2014年に発表した推計によると、国内のアルコール依存症経験者は109万人。これをはるかに上回る536万人と見積もられているのがパチンコなどのギャンブル依存症で、成人人口の5%近くに及ぶ」とある。
 
 下図は、2017年1月10日の毎日新聞の、自民党がカジノ法への理解を深めるために、有権者向けにパンフレットを作り配ったところ、支援者から「何でこんな法律を通したのか」という意見が出て、説得に苦慮しているという記事である。



 翌、11日の同新聞には、「カジノ議論PT新設」という記事がある。「PT]とは、カジノ法のプロジェクトチーム(PT)であるという。PTでは、入場規制の在り方やギャンブル依存症対策などについて協議するという。



 続けて、1月15日の同新聞は、ロンドンの中心部の「レスタースクエア」の複合型カジノ施設、「ヒッポドローム」を紹介している。



 上記新聞には、「パチンコ店のような騒々しい雰囲気とは違った『大人の社交場』といった印象だ」とある。記事のまとめとして、「人間には賭け事を楽しむ本能があり、それを禁止することは適切ではない。むしろ、しっかりと規制された環境で賭博を楽しむほうが健全で、カジノ税収などを通じて社会にも利益をもたらす」とある。
 パチンコを何とかカジノに入れて、大正末から伝わる日本の文化を残してほしいと考える私であるが、下図の3月18日の同新聞には、「依存症対策 議員立法」という見出しで、「ギャンブル依存症対策を強化する法案を議員立法で策定」「パチンコなど既存の遊技を含めた相談窓口の充実」と、パチンコ依存症が深刻な事態に陥っていることを伝えている。
 こうして、3月中にパチンコ依存症が国内に広くまん延した病気であるという認識が報じられた。



 
 下図の3月31日の毎日新聞は、「パチンコ店の入場制限」という見出しで、本人や家族の申告で、パチンコ店への入場を制限する検討に入ったことを伝えている。



 さらに同日の同新聞には、下図のように、ギャンブル依存症が全国で約280万人にのぼるとある。



 パチンコは、今年の夏をメドに、パチンコ店の生命線ともいえる出玉規制の基準見直しが実施されるようである。この後の細かいパチンコの規制については、冒頭の各新聞をお読みいただきたいのであるが、パチンコで自己破産する人が後を絶たない現在、出玉の規制は必定。パチンコが産業として成り立たなくなり、パチンコが換金のできないゲームセンターのみの時代が訪れるかもしれない。
 パチンコ危うし!
 パチンコが大正末期、日本が産んだ歴史ある立派なギャンブルとして、カジノに置かれることを祈るのみ。
 海外のカジノには、古いギャンブルマシンが展示されているところが多い。パチンコがカジノに置かれた暁には、私のもつ手打ち式パチンコ台百台を、ぜひ展示してほしいものである。



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