カジノ法制定記念≪日本パチンコ伝≫









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〈日本機械学会論文発表〉

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日本機械学会第3回論文発表
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〈図版〉

◆ 「日遊協」2011年10月号掲載、論文発表記事
「遊技通信」2011年11月号掲載、論文発表記事

 
〈著書〉

『パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽』
『戦前からあった台湾のパチンコ』


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 <日本にカジノができたら、パチンコはどうなるのか? その28 >



 

◎カジノの制度設計の大枠決まる

 2017年7月31日、政府は、有識者によるIR推進会議を開き、カジノの認定数の規制や、カジノ施設面積、入場回数などの規制等、カジノの制度設計の大枠をまとめた。
 下図は、2017年8月1日の毎日新聞の1面の記事である。2面、7面にも関連記事が載っている。
 カジノ解禁を前に、この大枠が国会を通過しなければ、話は一歩も進まない。最大の課題はギャンブル依存症問題なので、大枠は世界一ともいえる、依存症が起こらないであろうという前提の、厳しい制度設計となった。

    

 
 下図は、2面の記事で、「カジノ規制 各論先送り」の見出しで、推進会議では、カジノ規制について具体的な基準を示さなかったとある。それはカジノ導入に世論の賛否が割れているため、規制と利便性のバランスをどう取るかは極めて微妙な政治判断を要するからであるという。有識者が大枠を決めても、決定は国会に委ねられるので、具体的な基準は政府主導で決めることになる。
 ここでは、下図にある「カジノ規制の主な規制と課題」を抜き書きし、重要な部分を挙げる。

  

 
  まず、〈制度のポイント〉であるが、
  ・カジノ事業は更新の必要な免許制とする
  ・国際会議場・展示場、劇場・美術館の文化施設、観光案内施設、宿泊施設の4施設を
   併設する 
  ・カジノ管理委員会を内閣府の外局として新設し、事業者を調査し、暴力団等が入らな
   いようにする
  ・マイナンバーカードを使い、入場回数を制限する

 〈今後の課題〉としては、
  ・規制対象にする入場回数を何回にするか
  ・カジノ施設の面積上限をどの程度のものにするか
  ・統合型リゾート(IR)の認定区域数をどのくらいにするか
  ・事業者から徴収する納付金額はどのくらいが適当か
  ・入場料をいくらに設定すればよいのか

 推進会議議長の山内弘隆一橋大学院教授は、「海外と比べて遜色のないきめ細かな規制を導入することができた」と自信を示している。私が一番知りたいのは、内閣府外局のカジノ管理委員会である。公安が行うのであろうか。

 下図は、同新聞の7面の関連記事である。ギャンブル依存症対策については、カジノ施設の面積制限や日本人客の入場回数制限など、「世界最高水準」の規制ということで、外資系など一部企業から、早くも不満の声が挙がっている。

 

 上記記事の写真は、7月26日に行われたIRに関するメディア向けイベントで、自社のカジノ依存症対策について説明するシーザーズ・エンターテインメントのジャン・ジョーンズ・ブラックハースト副社長(赤矢印)他である。ブラックハースト氏は、「面積制限は投資意欲にマイナス影響を与えるのではないか」と、規制に疑問を呈している。ブラックハースト氏は、20以上の地域で、実態に応じてIRの懸念に対処してきた経験があると強調したという。
 規制が厳しすぎるようだが、昨年末の法案成立以降、国内外の多くの企業が参入に意欲を示しているという。新聞には、「遊技機大手のセガサミーホールディングスは4月、韓国に現地企業と合弁でIR施設をオープンさせた。役員ら40人弱を派遣しているといい、『ノウハウを得て、日本での開業に備えている』(広報)と意欲を見せる。HIS傘下のリゾート施設ハウステンボス(長崎県佐世保市)も、大規模遊休地にIRを誘致する予定。沢田秀雄社長は6月、毎日新聞の取材に『誘致できればアウトレットモールも整備したい』と具体的構想を語った」とある。

 下図は上図矢印の続きで、大和総研で試算をまとめた米川誠氏の発言が載っている。彼は、「IR自体はアジアで珍しくない。日本独自の魅力的なものをつくらなければ客が来ず、経済効果も想定以下になりかねない」と語っている。
 だが、この記事の「Key Word」には、大和総研が5月にIRの波及効果を、横浜・大阪・北海道にシンガポールと同規模のものを建設し、同程度の収益を上げたとした場合、効果は5兆500億円に上るとある。横浜市も商工会議所が昨年11月、横浜市内にIRを設置した場合、経済効果波及は日帰りの客と宿泊の客の割合によって異なるが、5595億円から6710億円程度と公表している。いずれにせよ、ギャンブルと行楽、美術鑑賞、演劇鑑賞、音楽鑑賞などは、人間の生きる喜びで、特にギャンブルは儲からないと思ってものめり込んでしまうほどの、麻薬に近い快楽があるので、どんなに厳しい規制をしても客は必ず来るのである。

 潟Aミューズメント通信社(http://ampress.co.jp/の赤木真澄氏より、この推進会議のまとめが首相官邸のサイトで議事資料として流れているとの情報があった。下記がそのURLである。

   http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ir_promotion/dai2/siryou.html

 新聞報道よりURLのこれはずっと細かく書かれているのであるが、新聞の方が内容がよくわかる。
 赤木氏は、アミューズメントマシンの日本における権威者で、「それは『ポン』から始まった」という素晴らしい著作がある。私は日本一を自認する手打ち式パチンコ台やコリントゲームのコレクターで、「パチンコ誕生 シネマの世紀の大衆娯楽」という本を出しているのであるが、私からすれば、日本のカジノにどんなギャンブルマシンを置く予定なのかを知りたいところだが、ここには具体的な試案が示されていない。

 
 

 カジノのない日本でも、神社・仏閣には、コイン投入のおみくじ販売機があり、参拝客は現金を投入し、運命が書かれた紙きれ1枚を手にする。
 かつて、ビリヤード場は風俗営業であったが、今は立派なスポーツとして営業されている。
 ポール・ニューマンの代表作、1961年の「ハスラー」は、ビリヤードに金をかける男たちの物語である。ビリヤード場には、一人でもできるコイン投入型のピンボールが置かれている。

 同毎日新聞の27面には、「突然炎のごとくモローさん死去」の粋な見出しで、フランスの名女優、ジャンヌ・モローの死を伝えている。モローの代表作といえば、「死刑台のエレベ−ター」(1957年)、「突然炎のごとく」(1962年)であるが、フランス映画の風俗描写には、コインマシンが欠かせず、「死刑台のエレベーター」にはピンボールが登場し、その音が映画をたまらなく盛り上げている。「突然炎のごとく」のコインマシンの自動音楽装置は、今でも映画ファンの語り草である。
 
 2000年オープンの日本のカジノには、どんな遊技機械、ギャンブルマシンが置かれるのであろうか。
 
 政府は、カジノ規制の大枠を基に実施法案を作り、秋の臨時国会に提出する構えという。法案が通れば、誘致レースが始まる。
 


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